ドトールにて、通路を歩いていたおじさんが、空の椅子にぶつかった。それにも関わらず、何も言わずに通り過ぎていった。なんか嫌なおじさんだなと思った時、その空席の対のソファーに座っていたおばあさんは、なんの表情の変化も見せず、その椅子をそっと引いた。泣きそうになった。
変数
新しい人とする会話、普段しない新しい話が多い。
それは新しい人だからなのか、はたまた自分が歳をとったからなのか。変数を二つ持っては分からない。だから付き合いの長い友人を大切にするのさ
早く目覚めた朝は
朝早く家を出た時、朝日はまだ鳴りを沈めている。そんな中、電車に沢山の人がいた時。朝日が見えた時。圧倒的に心は沈んでいく。私の特別な高揚感は、少しばかり外れ値な人間の普通であった。それもそれで間違えではないけれど。デパートの屋上、久しぶりにできた彼女。
目の動き
流れる車窓からの景色ではなく、その硝子を見ている。視点は着々と手前にずれ込む。都会は大気中に汚れが多い。そこばかりに目がいく。近視