聞いたら死んでしまう曲を口笛で吹いて、
この世を去るなら幸せかもね!きっとね!
聞いたら死んでしまう曲を口笛で吹いて、
この世を去るなら幸せかもね!きっとね!
君が溺れてるとき、くちずさむ歌はなんだい⁇
思い出すことはなんだい⁇ 思い出せない??
生にしがみつきながら、君は死ぬんだ
「濡れたままの髪で僕は眠りたい」そう、山口一郎が言うので、というかそれを言い訳にして、髪を乾かさず、ベットに入る。そして朝、髪の毛はあらゆる方向に癖がついており、結局、髪を濡らし、乾かす。なら昨日乾かしておけば良かった。分かっていてもやれない事なんて沢山ある。いつだって思考と思いは別だ。
大学の最寄りから大学までは東から西への一本道。これほど日差しを恨む時はない。おかげさまで右目の周りは爛れている。僕は信号無視をする人が嫌いだ。なぜ規則を守っている方が、早く進めないんだ。そういう奴に限って、車が通る信号では止まる。そのまま進んで死ね。救急車なんて呼ぶか。
研究室には、幸いにも嫌いな人はいない。デスクで本を読んでいれば、話しかけてくる奴はいるし、下の学年の実習の手伝いをすっぽかす年上もいる。しかし研究室には、幸いにも嫌いな人はいない。
帰路に着く頃には西陽はどこかに消え、右目の爛れは鳴りを潜める。もう誰かに苛立ちをぶつける気力は無い。家に着くと、冷めたおかずを温め、お風呂に入る。今日もまた濡れたまま眠る。